2007年度の数理ファイナンスセミナーを以下のように開きます。関心のある方のご参加を歓迎いたします。
(名古屋市立大学経済学研究科 宮原研究室)
第2回「数理ファイナンスセミナー」
講師:荒川 研一(りそな銀行リスク統括部金融テクノロジーグループ、シニア・クオンツ・アナリスト)
タイトル:「金融商品プライシングの実務」
概要: 近年、銀行、証券会社などの金融機関ではデリバティブを内包した金融商品の開発が盛んである。パワーリバースデュアル債等の人気の高い金融商品を例にとり、魅力ある商品の開発の着眼点について説明する。次に商品の評価方法について解説を行い、プライシングモデルの特徴やモデルを構築するうえでの考え方について実務の立場から論じる。
日時:2007年7月5日(木)午後3:00-4:30
場所:名古屋市立大学経済学部棟2階202教室
第3回「数理ファイナンスセミナー」
講師:津田 博史(ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主席研究員)
タイトル:「社債価格モデルと信用リスク」
概要: 今日, 上場企業の倒産が増え, 信用リスク(credit risk)が顕在化しつつある.企業が資金調達のために発行した社債の市場価格には,信用リスクが反映されてきている.当講演では, 一般の社債価格に焦点を当て,新しい社債価格モデルを提案し,それを社債の市場価格データに適用して,格付け毎の倒産確率の期間構造,期待損失額の推定や価格モデルとしての有効性を示す.解説する社債価格モデルは,社債価格の変動を把握するための実践的方法として,統計的モデル・アプローチに基づいたものであり,金利モデルの派生的なモデルではない.統計的モデル・アプローチは, ファイナンス理論を基礎としつつも,現実に観察される現象(例えば,金融資産の価格変動)の特性を客観的に把握し,そして,その観察・把握した結果と整合的な計量モデルを推定し,その計量モデルを通して理論的類推・説明を行うといった帰納的な推論方法を意味する.この社債価格モデルを通して,実際の市場でインプライドされている格付け毎の回収率や同格付け内の業種毎の倒産確率の期間構造を推定することができる.なお,時間の余裕があれば,信用リスクに関する最近の話題も触れることにする。
日時:2007年7月12日(木)午後3:00-4:30
場所:名古屋市立大学経済学部棟2階202教室
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(世話人:宮原孝夫 Tel:052-872-5718
E-mail:y-miya@econ.nagoya-cu.ac.jp)