2月7日に以下のプログラムで「Risk Workshop 2009」が開催されました.2007年から始まった本Workshop も今年で3回目になります.初めに研究科長の挨拶があったあと,約1時間ずつの講演が3件,その後約20分ずつのショートコミュニケーションが3件ありました.今回はおよそ20名の参加者があり、活発な質疑・応答がなされました.
当日の講演に関する資料をご希望の方は、
宮原(y-miya[at]econ.nagoya-cu.ac.jp)
までご連絡ください.
【講演】
1.高森 寛(LEC会計大学院)「知的資産をめぐるM&Aとリスク合同事業」
2.高嶋 隆太(東京大学)「なぜ発電事業の評価に金融工学を使うのか?」
3.三輪 昌隆(東邦ガス株式会社)「設備の効率的な維持管理方法に関するリアルオプションアプローチ」
【ショートコミュニケーション】
1.八木 恭子(東京大学)「将来人口の不確実性を考慮した施設の立地場所と立地タイミングの同時時決定モデル」
2.三澤 哲也(名市大)「UNPV法の簡約化から導かれるプロジェクト評価回帰モデル」
3.宮原 孝夫(名市大)「プロジェクト評価のための価値尺度について」
なお今後のために、本Workshop の『目的』などをまとめたものを記しておきます
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[目的]
不確実性の増大
→ リスクの評価、事業価値の評価
[経過]
・経済学研究科内に「数理ファイナンス」「金融工学」関連の研究者が何人かいた。
・2003年度COEに「リスク評価拠点の確立」を申請。
・その後も、関連したセミナー、研究会など開催。
・ファイナンス関連だけでなく、企業経営においても重要という認識。
→ 「リアルオプション」
・東海地区は、製造業の集積地。 → 地域の産業との連携
[本Workshop の位置づけ]
・現在企業経営の上で「リスクマネジメント」の重要性が高まっている。(ERMなど)
・ファイナンス(特に保険の分野)では、「リスク尺度」を作成して、確率論を基礎にした形で保険数理理論を再構築しようとしている。
・生産活動においては、リスク評価を基礎に、「事業評価」「企業評価」「リスクマネジメント」のための理論が必要になっている。 → これに答える。
[今後の発展]
・「価値尺度」と「リアルオプション・アプローチ」が重要である、という認識に立って、今後も研究を発展させる。
(2009.02.09、宮原 孝夫 記)